ガンダム大地に…












ジーンさんの身の上に一体何事が起こったのでしょうか?


上の画像は例によってまたNASAから貰ってまいりました。
かの有名な、ジェラルド・オニール博士が提唱したシリンダー型スペースコロニー、島3号(Island Three)の想定図です。
直径6km、
長さ30km
人口1000万人
0.55rpmで回転(1分50秒で1回転)し、遠心力で地球と同等の重力を発生させる。
この絵を見てると…
窓の外は漆黒の宇宙が丸見えで、高所恐怖症の人はかなり怖いのでは…とか考えてしまうのは私だけでしょか…?
以前の記事ではコレを念頭において理論を展開したのですが、ガンダムに出てくるコロニーは一回り大きいようで…

大体こんな感じです。
このスペックで1G同等の遠心力を発生させるには…
私が高校物理で習った中で今でも覚えている数少ない定理を組み合わせてナントカ…
まず、1Gの力をFとして…
F=mg m=質量 g=重力加速度(9.8m/s^2)
F=mrω^2(2乗) r=半径 ω=角速度
mrω^2=mg
3200ω^2=9.8
ω=0.0553398… (合ってんのかな…?)
コレはrad/s(ラジアン毎秒)という単位なのですがこのままではイマイチ良く分からないので…
まず、どのくらいの時間で一回転するか…に変換
ω÷2π=0.0088120…
一秒間に0.009回転 一分間に0.5287247680…回転 一回転するのに1.891343210…分
やっと分かりやすくなってきた。
え~と…、1分53秒…約2分で一回転ですね。
2分で1回転というと、つまりは時計の秒針の1/2のスピードです。
時計の秒針をジーっと見ていると…、この半分のスピード?
遅い、遅すぎる!
が、
実は、コレだけ大きい建造物となると、こんなのんびりした回り方でも地表辺りの速度は…
ωr=秒速177m
時速に直すと、なんと638km/h!
コレはジェット機が離陸する速度の約2倍、音速の約半分という猛烈なスピードです。
コロニーの地表に当たる場所はこんなすごいスピードで回っているんですね。
ジーンさん、コロニー内の非耐震非暴風仕様の超軽量建造物とはいえこんな猛烈なスピードでぶつかったら、ホントはこんなもんじゃ済まないですね。^^;
実際に回転中心の無重量状態の場所から地表に降り立つには、ある程度地表に近付いた所で回転方向に加速して相対速度を合わせ、それに伴って発生する遠心力に逆らって上昇方向にスラスターを吹かし続ける必要が出てきますね。









こんな感じ…でしょうか…。
加速してるにもかかわらず、地表の方が速く動いているから乗員は減速しているかのような錯覚を起こすのではないかと思います。
しかし、コレ、はっきり言って推進剤の無駄使いですね。




ガンダム第一話をご覧になった方はお分かりだと思いますが、ここは無重量なのでもうジーンさんのザクを肩に担ぐ必要などなくて目的の方向へ押し出せば勝手に漂っていくのですが…
分かりやすくする為にこのような表現になっております。ご容赦くださいm(_ _;)m

ただでさえ、機動戦闘に使える推進剤の量は限られてるんだから、出来るだけ節約しないと…
エレベーターを使うか、山肌(?)を歩いて降りるのが正しいコロニー内着地の方法だと思います。^^/

ガンダムは…大地に立つことはなかった……^^;
テーマ : 機動戦士ガンダム
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