訓練をしなければ…?




…私個人としては、どう考えても、モビルスーツの操縦の方が、
キチンとした長期にわたる訓練が必要とされると思うのですが…
ソレはトモカク、
このシーンは、ガンダムファンの間でも、タダの機械オタク少年のアムロ君が、本格的な訓練を受けているであろうプロの軍人であるキャスバル兄さんと、肉弾戦で互角に戦えるのか…?と、論争になったりしています。
私は、キャスバル兄さんの理論が正しいとした場合、このシーンでの戦いは、やはりアムロ君に有利だと思います。
そもそも、この場所は、果たしてキャスバル兄さんの言うような条件を満たしているのでしょうか?
通常の1G重力下での剣による戦い、格闘戦なら、確かにキャスバル兄さんの言うとおり、本格的な訓練を受けていた方が間違いなく有利だと思います。
(武道や格闘技では、相手の動きを読むというのも、勝敗を分ける非常に重要なファクターだと聞きますので、アムロ君のニュータイプ能力によってかなり相殺されてしまうと思われますが…)
しかし、このア・バオア・クーのような、ほとんど無重量と言っていいほどの微小重力下においては、話は全く違ってくるのではないでしょうか?
剣術において、身に付けておかなければならない重要な感覚の一つに、『間合い』があります。
間合いとは、簡単に言えば、戦う相手との距離です。
具体的には、自分の攻撃が届く距離、範囲を熟知し、相手の攻撃の届く範囲を予測する能力です。
自分の攻撃を敵に与えるには、自分の“間合い”まで接近する必要がありますが、
それは同時に相手の“間合い”の中に入るという非常に危険な距離にまで接近することを意味します。
不用意に近付けば、相手を攻撃するどころか自分が攻撃を受けてしまいます。
この間合い、素人目にはまだ遠いように見えますが…

実は、このように、攻撃が当たる距離なのです。

もちろん相手の間合いでもありますから、

お互いに一分の隙も許されません。
フェンシングであっても同じです。

つまり

このように攻撃の届かない間合いから
下のような攻撃の届く距離まで間合いを詰める時は、

細心の注意を払って、集中力を高めて隙を無くし、正確に動くことが要求されます。
そうです。
剣術で勝つためには、相手との間合を自在にコントロールできる能力を要求されるのです。
さて、この移動能力、1G重力下ならば、足捌きによるステップワークによってなされるのでしょうが…、
ここは無重量です。
床を蹴れば、前方ではなく上に飛び上がってしまいます。
前進しても軌道を全く変えられませんし、壁にでもぶつかるまでは止まることもできません。

この写真、例によってまた、NASAから貰ってまいりました。
割と有名なものなので、見たことがある人もおられるかと思いますが…
宇宙飛行士が宇宙遊泳をしているところなんですが…よく見ると、命綱が付いてません。
代わりに、通常より大き目のバックパックを背負っているのがお分かりでしょうか?
コレは、有人機動ユニット MMU(Manned Maneuvering Unit)といって、
ガスを噴出することにより、無重量空間でも自在に動き回れる装置です。
(機動ユニットとは、なんと血沸き胸躍る名称でしょう!^^/)
古くは、宇宙銃などと言う誤解を招きそうな名称のデバイスもあったようですが…

左右のレバーで操作するようになっています。

(このような絵を見るとSFチックでワクワクします^^)
実際には、無重量空間で自在に移動するには、このような装置が不可欠なんです。
もちろん与圧区画であれば、空気がありますから、泳ぐようなアクションを続ければ微妙に移動することは不可能ではありませんが…、実用的だとは言いがたいものがあります。
このMMU、残念ながらサイズが大きく重量がかさむ割には使い勝手が悪かったようで、すぐに退役となったようです。
現在は、移動する為に積極的に使うのではなく、何らかのアクシデントで、命綱なしで宇宙空間に漂いだしてしまった時に船に戻る為に使う…という、下のような、非常用の小型のものが使われていてるようです。
![GPN-2000-001056[1]](https://blog-imgs-17-origin.fc2.com/j/n/o/jnoji/20110620080938ab7s.jpg)

セルフレスキュー用推進装置 SAFER(Simplified Aid for EVA Rescue)
コレは逆に、念のための装置ですので、船外活動では装着が義務付けられているようです。
というワケで、結局、勝敗の行方は、
この背中に背負ったMMU(有人機動ユニット)の操作技能の優劣でついてしまうという、
キャスバル兄さんにとっては残念な結果に…^^;

(しかし、この設計↑では、ピッチモーメントがコントロールできませんね^^;)
つまりは、キャスバル兄さんは、誘い込む場所を間違えてるんです。
誘い込むのは、例え生身であっても無重量の区画では意味がないんです。
1Gの遠心擬似重力がかかっている区画に誘い込むべきだったのです。
そのような場所で肉弾戦を挑めば、キャスバル兄さんの圧勝のはずです。
残念!
う~ん…、二手三手先を読んで作戦を立てる赤い彗星らしからぬミスですね。^^/






キャスバル兄さんの理論どおりなら、こんな感じで、なかなか決着が付かないでしょう。
機械の操縦では、ニュータイプにはかなわないんですから…^^;


考えてみると、アムロ君以外のホワイトベースのクルーが、MMUをつけていないのは、とっても怖いですね。
セイラさんなどは、MMU無しで宇宙遊泳を敢行するという…ほぼ自殺行為と言っていい所業に及んだりしてます…
ガンキャノンもコアブースターもコクピットはガンダムと同じコアファイターなのですから、当然アムロ君が背負ってるMMUと同じものが常備されてるはずなんですが…?^^;フシギ
![]() | GUNDAM A (ガンダムエース) 2011年 07月号 [雑誌] (2011/05/26) 不明 商品詳細を見る |
テーマ : 機動戦士ガンダム
ジャンル : アニメ・コミック
コメントの投稿
No title
目がコンタクトが落ちる説明ありがとうございました
コメントありがとうございます。
余計に見えなくなってしまいましたか…^^;
銃かナイフか
検索で辿り着きました。銃で人を傷つけるのは素人でも何とか出来ますが、ナイフを使うのは、訓練された軍人でも大変だと思います。ましてや、中学か高校生なので、肉弾戦に持ち込めば、可成りシャー有利だと思いました。
Re: 銃かナイフか
rikさん、コメントありがとうございます
仰るとおり、アムロ君を捕まえることができればキャスバル兄さんの方が有利
といいますか、圧倒的に強いはずです
キャスバル兄さんは、王族のガルマ・ザビさんのご学友という事で
(作中では士官学校と言ってはいますが)
日本で言う防衛大学のような所に就学していたものと思われます
卒業後は前線での実力部隊を率いる隊長として着任しているところを見ると
無重量下、1G重力下両方での近接戦闘の訓練も十分に積んでいると考えられます
そう、まともに戦っては、ただのヲタ学生だったアムロ君に勝ち目はないのです
ただ、その機動力を背中に背負ったマニューバユニットの操作技術に左右される条件下では
ニュータイプ能力を高度に発達させたアムロ君を捕まえ、格闘戦に持ち込むことは至難の業だ…というw
物語冒頭で、赤い彗星がその操縦技術によって、遥かに性能の高い筈のガンダムを翻弄したのと同じですね
悲しいかな、物語終盤においては立場が逆転し、
機械の操作技術でアムロ君はキャスバル兄さんを凌駕してしまったのです
仰るとおり、アムロ君を捕まえることができればキャスバル兄さんの方が有利
といいますか、圧倒的に強いはずです
キャスバル兄さんは、王族のガルマ・ザビさんのご学友という事で
(作中では士官学校と言ってはいますが)
日本で言う防衛大学のような所に就学していたものと思われます
卒業後は前線での実力部隊を率いる隊長として着任しているところを見ると
無重量下、1G重力下両方での近接戦闘の訓練も十分に積んでいると考えられます
そう、まともに戦っては、ただのヲタ学生だったアムロ君に勝ち目はないのです
ただ、その機動力を背中に背負ったマニューバユニットの操作技術に左右される条件下では
ニュータイプ能力を高度に発達させたアムロ君を捕まえ、格闘戦に持ち込むことは至難の業だ…というw
物語冒頭で、赤い彗星がその操縦技術によって、遥かに性能の高い筈のガンダムを翻弄したのと同じですね
悲しいかな、物語終盤においては立場が逆転し、
機械の操作技術でアムロ君はキャスバル兄さんを凌駕してしまったのです